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Surf culture

a shaper's tale. part two.

Writing by 空志海児
Art by Tom Threinen

1970年の夏休みに、修学旅行で大阪の万博に出かけたせいで、
3日間だけ海に入らない日があった…旅行から海に戻って、
久しぶりのパドリングの最初の15掻きくらいが異常に軽く
この空白の3日間が何か甚大な損失に思えて、
修学旅行なんかに出かけた自分の愚行を呪おうかという矢先に、
生まれて初めて、ポリエステル樹脂の、あの匂いの洗礼を受けた。

その夏の太平洋高気圧のいたずらか、あまりの波の無さに
大人のサーファー達がボードのリペアー用の合成樹脂で
遊び始めたのだ。遊ぶと云っても紙コップの少量の樹脂に、
ほんの数滴の硬化剤を落として、樹脂が完全に硬化したら
紙コップを破り(たぶん宝石のルビーみたいに)美しく見える
その塊を削って形を整え、最後にもう一回仕上げの樹脂を塗って、
自分製のインディアンジュエリーみたいなのを細工するのだ。

なかには樹脂を扱うついでに、サーフボードのリペアに取り組む者もいた。
ところが場所がいけなかった…砂浜はいいんだけど、
となりが海の家で、そこには夏の間、田舎にくり出してきて
漁師とか、地元の小金持ちを相手に旅館で出張賭博を開いたり、
たい焼きとか屋台系の稼業を営むテキヤさん御一行が、
気持ちよくビールなんか飲んでるところだった。
そこにいきなり合成樹脂のケミカルな異臭が漂ってきたものだから、
それまでこちとらサーファー達が夏中ずっと仲間だと思い込んでいた
ダボシャツに入れ墨の坊主頭とか角刈りの大人が本職モードに豹変して
いきなり「おら!臭せえぞお!」みたいに吼えたのだ。

そんなんで、シュンとした事もあったけれど、
初めてのあのサーフボード本体を包む美しくて、そして一度嗅いだら
誰でも忘れることのできないポリエステル樹脂の液体と、
「えっ、こんな数滴でもほんとに樹脂って硬化するの??」の疑問の直後に、
みごとに固まってみせる、あの化学的な機能の見事さには、
サーファーならだれでもきっと感激するに決まってる。

だからこの樹脂との第一種接近遭遇を私は“洗礼”と呼ぶことにする。

生粋のサーフボードビルダーならば、15才までに必ずこの洗礼を受ける。
そうでない者は(シェイパー自称)に過ぎないのである。

・・・to be continued.

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