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Surf culture

カリフォルニア漂流記1988

Writing & Photo by Novoru Sugiyama

〜 第9部 ハワイアン ミスターエディ・パイパー 〜

翌朝7時に起きるとマイクはキッチンでコーヒーを飲んでいた。
「グッドモーニングマイク」と挨拶をすると、「マリブサーフィンアソシエーションのひとりがノボルを南まで乗せてってくれるぞ!」「急がないと乗り遅れるよ!ハリーアップ ノボル!」と言うではないか。

急いで荷物をパッキングしてマイクファミリーに別れを告げた。
あまりにもあわただしかったので、しっかりとお世話になったお礼を言う事が出来なかった。
本来であれば“世界うるるん滞在期なんとか”番組の家族とのお別れシーンの感じだったと思うのだが、、、。

マイクと一緒にサンタクルーズのメキシカンレストランへと向かった。
中へ入るとサーファーらしき人が奥さんとタコスを食べていた。朝からタコス?僕はグェ!と思いながら彼等に挨拶をすると、僕らにシャカサインをした。
が、彼の顔を見ると凄く強面であり、びびってしまった。とにかく第一印象は怖かった!彼はハワイアン、体つきは細いのだが、筋肉はガシっと付いていた。彼は後ろ髪の中心を30センチほど伸ばし三つ編み結んでいた。
名前はエディーパイパー。今大会に奥さんのジョンと一緒にマリブサーフィンアソシエーションのメンバーの一人として参加していた。驚くべきことにエディーは今大会で準優勝したということであった。
エディーはテキパキと僕のザックとボードを車に運んでくれた。
マイクに「大変御世話になりました。ありがとう!また来年来ます!」とお礼を言って別れた。

僕はエディーのチェロキージープに乗り込んだ。
彼は42歳で職業はカーペンター。ハワイではあまり収入にならないからカリフォルニアにやってきたらしい。エディーはハイテンションで喋りまくっていた。
僕のハワイアンのイメージはメローな感じと受け取ってたのだが、まったく違っていた。「日本ではマックは幾ら?コーヒーは幾ら?」「日本のサーファーを知っているぜ!」因みにだれかと聞いてみると「アイ ノー ドジ」と答えた。

エディーが住んでいる所はバレンシアという所でリンコンやマリブまで1時間くらい、サンタクルーズからでは6時間かかるとのことだ。
僕はリンコンやマリブ周辺のモーテルまで送ってくれるかと頼むと、いきなり「セーブマニーノボル!!」「カァムトウホーム!」怒鳴られてしまった。なんていい人なんだろう。なぜ?さっき会ったばっかりなのに、そんな親切なことを言うんだろう?なんて思いながら窓の外を見ていた。

いくら走っても変わらぬ景色が続くのでとうとう眠ってしまった。少し経って起きるとエディーはカーステから流れるライオネルリッチーのバラードを口ずさみながらハンドルを握っていた。エディーは「腹が減ったなら後ろにあるクーラーBOXに食い物があるから食べろ」と後ろを指した。ふたを開けるとなんと日本の稲荷寿司が入っていた。
まさか、こんな場所でいなり寿司が食べられるとは思ってもみなかった。ここ一週間は、米を口に入れてなかったのでこれにはスゲー大感動してしまった。これは、奥さんのジョンが作ったらしくとても美味しかった。ちょっと米は硬く、味は甘かったけど。彼等は僕がうれしそうに食べているのを笑いながら見ていた。

彼等の住む場所へは後2時間くらい走るらしい。相変わらず、変化のない景色を見ながらボーとしていると。
何やらハンドルを握っているエディーがブツブツと怒っている!前の車に対して文句を言っているようだ。
こちらは、追い越し車線で走行しているのだけれども前に走っているピックアップトラックがなかなか譲ってくれないのである。

先方の荷台には二人ほど人が乗っていて、こちらに向かって文句言っている!
今にも喧嘩になりそうな雰囲気、エディーはブチきれ寸前な感じで窓を開けて、聞こえはしないと思うが怒鳴るように「F○C○〜ハオリ!!」と叫ぶ!
僕は後部席で、「もしパーキングに止まって、喧嘩に巻き込まれたらどうしよう。相手に銃で殺されたらどうしよう」なんてビビッていた矢先にエディーは、ハンドルを両手から離し、相手に向かって両方の手で中指を立てているではないか!
もう車内はバイオレンスの匂いが充満していた。僕は、「あッもうだめだ。きっと殺される。」マジで思ってしまった。

助手席のジョンが何とかエディー落ち着かせ、前を走っている車も追越車線から走行車線へ移動した。「あ〜良かった」と内心ホッとした。
依然エディーは、一人で、怒っている。「俺はハワイアンだ!○○ハオリ!」なんて言っている。
やはり、その昔、ハワイに白人がやって来てハワイの文化を崩したから白人が嫌いなのかななんて思った。
本当に一時はどうなるかと思い冷や冷やした。
でも、そんな一面も見れたから良かったのかもしれない。そうこうしている間に、やっとエディーの家に到着した。
そこは、町と言うよりも村という感じで非常に乾燥した場所であった。まだ、引っ越してきたばかりで家の中は物らしい物はあまり無かったがエディーが今まで出場したコンテストのトロフィーが所狭しと並んでいた。
かなりのコンペティターみたいである。

僕は庭にある彼等のトレーラーハウスで数日間寝泊りすることになった。
8時前にエディーとジョンは「GOOD NIGHT」と言ってベッドルームに入っていった。僕も離れのトレーラーハウスに戻り、借りたスリーピングバックに入った。
時計を見ると8時過ぎである。「え?早すぎ」思ったが寝てしまったのである。

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